令和3年3月よりオンライン資格確認がスタートします。医療機関や薬局でマイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等により、オンラインで資格情報が確認できるというものです。厚生労働省では、令和3年3月のスタートに向けて、医療機関や薬局へ対応を求めていましたが、令和2年11月29日時点で、医療機関等向けのポータルサイトアカウントの登録数は全体の約3割にとどまっていました。新型コロナウイルス感染症への対応などもあり、なかなか準備が進んでいない医療機関や薬局も多いようですね。今回は、オンライン資格確認の概要、導入のメリット、導入準備、財政補助を確認しておきましょう。
【オンライン資格確認とは】
医療機関や薬局では現在、毎月窓口で健康保険証を受け取り、必要な情報をシステムに入力するという作業を行っています。受付職員の手間も時間もかかりますし、この方法では資格を失効した保険証を提示されても、その場で保険証が有効かどうかを確認できず、保険者に医療費を請求しても支払われないことがあります。オンライン資格確認は、全国民の資格履歴を一元的に管理し、マイナンバーカードや健康保険証によって、加入している医療保険などをその場で確認できる仕組みです。
【導入のメリット】
・窓口事務の削減 保険証の情報をシステムへ入力する事務作業を削減できる。
・レセプト返戻の減少 保険証の失効を含め、保険資格確認が可能なため、レセプトの返戻が減少する。
・予約患者の事前確認が可能 一括照会によって、予約の患者さんの保険資格を事前に確認することができる。
・災害時の対応 災害時に限り、マイナンバーカードだけで薬剤情報や特定健診情報を閲覧できる。
【導入準備】
導入には、専用機器の準備、既存システムの改修、運用準備など一定の期間が必要です。
➀医療機関等向けポートルサイトの登録(アカウント登録)
➁顔認証付きカードリーダーの申込 (システムベンダとシステム改修の相談・調整・契約など)
➂オンライン資格確認利用申請 (機器・システム・ネットワークの準備)
➃補助金の申請
➄運用開始に向けたテスト・職員への説明など
【オンライン資格確認導入の補助】
令和3年3月までに顔認証付きカードリーダーの申込を行った医療機関・薬局に限定して、構築に要した費用について、補助上限までなら実費全額補助(導入台数により上限は異なります)になります。
※令和3年1月より1/2補助から全額補助へ変更となっています。

補助も令和3年3月までに申し込みをすれば全額補助へ変更になったことを考えると導入率の低さからの対応でしょう。いずれは義務化とすることもあるのでしょうか?どちらにしても補助があるうちに導入を検討してみるのもいいかもしれません。